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109回 TNJ:Trans-Net Japan(TSとTGを支える人々の会)催し/一般公開

アジア・パシフィック性科学学会報 告



  2004年11月21日〜24日、インド・ムンバイ市において、「第1回アジア・パシフィック性科学学会」(First Asia Pacific Conference of Sexology)が
開催されました。アジア性科学学会(AFS)が主催する学会としては第8回に位置づけられる本学会のテーマは、「変わりゆく世界のセクシュアリティ (Sexuality in the changing world)」というもので、性行動・HIV/AIDS、家族計画、カマスートラ、その他関連領域における議論を深めることを目的として開催されました。 参加国は約25カ国、350人以上(日本からは約30名)が参加し、会場となったインドで最高級と言われる「タージマハル・ホテル」では、Louis Gooren博士(オランダ・フリイエ大学教授/内分泌科医/性別再指定センター・ジェンダー・チーム長)や、Richard Green博士(英国・チャリング・クロス病院ジェンダー・アイデンティティ・クリニック長/精神科医/元ハリーベンジャミン国際性別違和協会会長)、 Milton Diamond博士(米国・ハワイ大学医学校解剖学生殖生物学部教授)など、日本でもお馴染みの研究者との再会、交流の機会も持たれました。
 盛りだくさんの学会プログラムの中から、今回は、日本から参加した皆さんにトランスに関連するプログラムを抜粋して、ご報告いただきます。報告者の皆さ んがインドで撮影した写真のスライド・ショーも予定されていますので、学会やムンバイ市の雰囲気をよりよくお伝えできるのではないかと思います。

【予定されている主な報告内容】
 Richard Green基調講演「トランスセクシュアリズム:その歴史、今日の発展と課題」(Transsexualism:
History, Modern Development and Concerns)、Milton Diamond基調講演「セクシュアル/ジェンダー・アイデンティティの発達」(The Development of Sexual and Gender Identity)、Melissa Hines講演「インターセックス児の性心理的発達」(Psycho-Sexual Development in Individuals with Intersex Conditions)、他。


【話し手】
◆ 針間克己(はりま・かつき)さん
1990年、東京大学医学部医学科卒。1996年、東京大学医学部大学院博士課程修了。医学博士。日本性科学会幹事長。性同一性障害(GID)研究会理 事。専門/精神医学、性心理障害。近著に、『私たちの仲間:結合双生児と多様な身体の未来』(緑風出版, 2004)、『性同一性障害って何?』(緑風出版, 2003)、『一人ひとりの性を大切にして生きる―インターセックス、性同一性障害、同性愛、性暴力への視点』(少年写真新聞社, 2003)、『性非行少年の心理療法』(有斐閣選書, 2001)などがある。

◆ 石丸径一郎(いしまる・けいいちろう)さん
1999年東京大学教育学部教育心理学コース卒業。現在、東京大学大学院教育学研究科臨床心理学コース博士課程、在籍。臨床心理士。本学会では、演題 "Self-esteem and social inclusionary experience in lesbian, gay and bisexual people in Japan"(日本のレズビアン・ゲイ・バイセクシュアルにおける他者からの受容と自尊感情について)を発表。

◆ 佐々木掌子(ささき・しょうこ)さん
青山学院大学大学院文学研究科心理学専攻博士前期課程修了。現在、慶応義塾大学大学院社会学研究科後期博士課程、在籍。臨床心理士。本学会では、演題 "Gender Identity Structure of GID"(性同一性障害当事者と非当事者のジェンダーアイデンティティ構造と特徴)を発表。

◆ 東優子(ひがし・ゆうこ) ※司会
TNJ運営メンバー。ノートルダム清心女子大学人間生活学部助教授。本学会では、演題"Ethical Issues &Transgenderism in Japan: A Look at Japan's New GID Law"(日本におけるトランスジェンダリズムと倫理的課題:GID特例法に関する一考察)を発表。「性科学学会はプログラムに占める性機能障害に関する 演題の割合が多すぎるという、いつもの(個人的な)不満はありますが、今回は、Green博士やDiamond博士によるトランス関連の基調講演があり、 また個人的にもGreen博士から英国のジェンダー・レコグニション法に関するコメントをお聞きする機会に恵まれ、それなりの収穫もありました。インドに おける性行動調査に関する演題も合わせてご紹介したいと思っています。」


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