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「TSとTGを支える人々の会催し・講演会(1999年3月7日)
「声を高くする、低くする手術」(非公開)


     第56回「TSとTGを支える人々の会」催し・講演会/非公開                   「声を高くする、低くする手術」       話し手:一色信彦さん(一色形成外科院長、京都大学名誉教授)                      MtFTS(男性から女性のトランスセクシュアル)やTG(トランスジェンダー) の人で、「声が低いことが悩み」「もっと、かわいい声が出せらいいのに」と思ってい る人は、たくさんいます。また、FtM(女性から男性の)TSやTGの場合は、ホル モン療法で喉頭の筋肉が男性化し、声変わりするものだそうですが、中には、あまり声 が低くならない人もいます。  声の高低は、心の性で社会的にパス(通用)したり、心の性で生きる自信を持つ上で も、重要なことです。そこで、今回は、音声外科の世界的権威で、京都で開業する一色 信彦さんにお話いただきます。一色さんは、これまでにTGやIS(インターセックス 、いわゆる半陰陽)など約30人の手術を行なってこられたそうです。 ”喉頭の枠組み手術”の特徴  この手術は喉頭の枠組みを変える事で声帯に触らず、声を大きくしたり、かすれ声を 治したり、声の高さを変える事ができる。局所痲酔下に手術するので、意識はあり、手 術中に声を出してもらいながら調整するので決して失敗する事がない。4型に分けられ る。 1型:声帯を中央に寄せて、発声中の隙間を無くし、声を良くする。声帯麻痺に適応。 2型:強く閉め過ぎた発声障害(けいれん性発声障害)を治す。 3型:声帯を緩めて声を低くする。 4型:声帯を緊張させて声を高くする。 声の高さに関係しているのは3型と4型だが声を低くする方が容易である。その原理と 手術の実際についてビデオを用いて説明する。 ◆話し手紹介◆ ★一色信彦(いっしき・のぶひこ)さん  1930年生まれ。54年、京都大学医学部卒。56年、京都大学医学部耳鼻咽喉科 助手。62年、米国カリフォルニア大学リサーチフェロー。65年、京都大学医学部耳 鼻咽喉科講師。77年、京都大学医学部形成外科助教授。80年、同大学教授。93年 、同大学退官、京都大学名誉教授、一色形成外科を開院、現在に至る。  臨床経歴としては、昭和29年(1954年)京都大学医学部卒業、大阪日赤で1年のイ ンターンの後、京都大学耳鼻科に入局、一般耳鼻科診療の他、音声、発声のメカニズム などの研究を行う。数年後アメリカ、カリフォルニア大学ロスアンゼルス(UCLA)に於 てさら に声(強さ高さ)の調節機構の研究を2年あまり行う。 帰国後、口蓋裂、音声障害の治療に専念し、昭和49年(1974年)新しい安全な声 を良くする喉頭手術法(音声外科)”一色の喉頭の枠組み手術”を国際誌に発表、徐々 に世界中で広く行われる様になり、現在まで世界各地でこの手術の講習会を盛んに行っ て来ている。  同じく声の問題という事で口蓋裂の治療を精力的に行い、その結果、開鼻性(鼻に抜 ける声)は殆ど無くなった。その過程でみつくち(口唇裂)の患者の治療も増え、顔面 の形成外科も専門とする様になり、昭和52年には耳鼻科から、形成外科に移った。平 成5年、京都大学を退官し、開業する迄、音声外科、顔面の形成外科を主な専門領域と してきた。現在もほぼ同様に手術を中心とした開業をしている。  専門領域/音声外科 顎顔面の形成外科とくに唇裂・口蓋裂、小耳症。 主な著書: 1. 図説臨床形成外科講座(分担編著)、メジカルビュー社、東京、1987 2. 喉頭機能外科ーとくに経皮的アプローチー、京都大学医学部耳鼻科同窓会、京都、   1977 3. 口蓋裂の手術 現代外科学大系第5巻、中山書店、東京、1982 4. 唇裂手術の進歩 新小児医学大系 中山書店、東京、1990 5. アトラス 眼の形成外科手術書(編著)金原出版、東京、1988  その他、英文論文130余編。   以下は音声外科教科書、総説の一部 Isshiki N.: Recent Advances in Phonosurgery.Folia phoniatr.32: 119-154,1980. Isshiki N.,Taira T.,and Tanabe N.: Surgical Alteration of the Vocal Pitch.Jou r.of Otolaryng. (Canada) 12:335-340,1983. Tanabe M.,Haji T.,Honjow I.,and Isshiki N.,: Surgical Treatment for Androphoni a. Folia Phoniat.37:15-21,1985.  Isshiki,N.: Phonosugery: theory and practice .Springer-Verlag Tokyo1989 Isshiki,N.:Laryngeal framework surgery  Advances in Otolaryngology Head and N eck Surgery, vol.5. Mosby Year Book.St. Louis,1991 Isshiki,N.: Laryngoplasty (Phonosurgery) , Vol. 3 , Chapter 73, 1-23 in Otolar yngology edited by Dr.G. English, 1995, Lippincott-Raven (Philadelphia)  Isshiki N: Mechanical and dynamic aspects of voice production as related to voice therapy and phonosurgery. J Voice 1998 Jun;12(2):125-37 Isshiki N: Vocal mechanics as the basis for phonosurgery. Laryngoscope 1998 Dec;108(12):1761-6 会長など:   昭和 54.         日本口蓋裂学会会長(1979京都)    58.         日本形成外科学会会長(1983京都)    61.         日本頭蓋顎顔面外科学会会長(1986大津) 平成 3.  5. 〜 5. 5.  日本形成外科学会理事長    4.  6.       国際音声外科ワークショップ会長(1992京都)    4. 12.       第37回日本音声言語医学会会長(1992京都)    5. 11. 〜     京都形成外科医会会長    6.  6.       第3回国際音声外科学会会長 (1994京都) 受賞:   喉頭の研究に対してグールド賞、1971   京都新聞文化賞、1972(唇裂口蓋裂の治療についての功績)   喉頭の臨床業績に対してグッツマン賞、1980 名誉会員など:  アメリカ喉頭科学会連絡会員、アメリカ気管食道科学会連絡会員、アメリカ形成外科 学会連絡会員、国際音声外科学会前会長、アメリカ耳鼻咽喉科学会名誉会員、ハンガリ ー音声言語医学会名誉会員、日本形成外科学会名誉会員、日本頭蓋顎顔面学会名誉会員 、日本口蓋裂学会名誉会員。 【日時】1999年3月7日(日) 午後1:10〜4:30 【主催】「TSとTGを支える人々の会」  【協力】「FTM日本」 【会場】都内某所 【参加費】1000円(カンパ歓迎!) 【問合わせ・連絡先】※変更したので、ご注意ください。   〒156−0044 東京都世田谷区赤堤二郵便局留「TSとTGを支える人々の会」 ※住所には、必ず「赤堤ニ郵便局」と漢数字の「二」を入れて下さい。そうしないと別  の郵便局に配達されてしまいます。 【参加資格】TS/TG/TV当事者の方。またはその家族、パートナー、支援者の方々。 ◆当日のお手伝いをして下さる方を募集しています。 ◆参加者の方は、当日、このチラシ(コピー不可)を持参して、受付けに提示して下さ  い。知人から教えてもらった方やホームページ、パソコン通信などで知った方は、事  前に電話で申し込み、受付け番号をもらって下さい。(参加者のプライバシーを守る  ためです。ご協力ください) ◆マスコミ関係者の参加、及び取材はお断わりします。写真&ビデオ撮影・録音厳禁。 ◆遠方在住の方や、非公開でも出席できない方のために、本格的に報告集づくりのプロ  ジェクトをしています。集会のテープ起こしとイラストのボランティアを募集中です。  パソコンまたはMS−DOS対応のワープロ、カセットテープレコーダーをお持ちの  方で、比較的、時間に余裕のある方、ご協力をよろしくお願いします!作業には、慣  れない場合、1時間の講演に5〜10時間かかります。また、原則として、テープ起  こし希望の催しに参加された方に限定させていただきます。


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